大人のスパイスカレーTHEローストチキン カレーハウスCoCo壱番屋
2019/04/11

大人って書いてあったから注文してしまった。
子供の頃よく憧れていた「オトナ」の雰囲気はちょっとどころかだいぶ背伸びしたある種易しめな「危険」っぽいものであって、たとえば、コーヒーを飲んだら苦かったとか、タバコを吸ってみたらむせてしまったとか誰か身近な大人しかやっていない行動を真似るのがオトナの近道に見えたりしたよね。
あとは、髪を染めてみたらオトナになるんじゃないかと思って、自分でブリーチしてみて金髪にしたらバイト先に怒られたとか、子供であった当時考えつくオトナの「危険」な姿は、今から思うとだいぶ子供じみていて、思い出すだけでもちょっと笑ってしまうようなエピソードが多かったりします。
つまり、手に届くような危険ぽいオトナの姿っていうのは本来の大人じゃなくって、どっちかというと、大人になって初めて気がつく自分の「地味」な「子供ではない」行動こそが大人の姿であったりします。
まあ簡単に言うと、そんなことを悟ってしまうとすでにもう自分は子供ではない、もう子供には戻れないんだろうなと、寂しくなっていたりします。もう忘れている人もいると思いますが、子供のときってね、今よりもっと自由な思考で、ずっと楽しい感覚のひと時だったんだよ。

そこで見つけたのがこの「大人のスパイスカレー」です。
たぶんココイチさんの意図としては、結構刺激的なスパイスを組み合わせた、老若男女万人受けしないカレーであるというところを表現して「大人」って書いてあると思うんですよ。多分スパイスの刺激が強い。
つまり、みんなにおすすめできないよ、素人には無理だ、っていう意味だと思うんだけど、というとことはたぶん、大人である僕でも、子供の気持ちである種「危険」な憧れを持ってこれを堪能できるのではないかと思ってしまったところです。

注文してやってきたカレーはこんな感じで、どう見ても普通のカレーとは違う風体です。
ルーとして溶け込まれているスパイスだけでなく明らかに後乗せドライスパイスがこれでもかというくらいにトッピングされている。これは万人受けしないだろうから、ある意味「危険」かもしれない。
つまりこれどう見ても、バーモントカレーの、
「リンゴとハチミツ、とろーり溶けて、うまさわくわくー♪(西城秀樹)」
とかいう、万人受けコピーがついた商品とはかなりかけ離れています。
スパイシー&スパイシー。
ルーを一口食べてみた感想はこんな感じ。これは危険だ。
カレーってどう見てもたくさんのスパイスの組み合わせなんだけど、ここまで危険的で刺激的なカレーは思ったより身近に感じられないよね。

おっと、これもオトナな雰囲気を醸し出していますね。
多分これは、赤い玉ねぎをピクルスにしたものだと思います。
僕これ初対面なんですけど、きれいなピンク色とは裏腹に、スッキリだけどちょっぴり挑戦的な酢の風味がオトナな雰囲気を一層引き立てています。危険すぎて子供には食べさせられない味だよね。

ローストチキン最高。この焦げたようなロースト調理方法のチキンはぐっと「危険」な大人の味のほうだよね。
カレールー及びピンクオニオンピクルスを引き立てるというか、主役にまでも上り詰めているローストチキンの風味は特筆すべきです。
そしてダレていないロースト感とこの味付けはとても美味しいですね。家庭のカレーにこれが入っていたらびっくりするかもしれないな。家のカレーは豚肉とじゃがいもが一番だけど、こういったスパイシーで「危険」な感じのするルーには香ばしさが危険なローストチキンがちょうど合っている。
大人の僕であっても、全体的に引き締まって、憧れの美味しいオトナの味を堪能することができました。
大人のスパイスカレー 882円+税
カレーハウスCoCo壱番屋 岡谷長地権現町店
長地権現町1丁目6−19